声優において「演技力がある」とはどんなことなのだろう?

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声優における演技力とは
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声優の演技力とはなんぞや、というものをよく考えます。

 

演技力って何がうまくて何が下手なのだろう?

舞台なら見た目もありますから、演技力を判断する基準も多く、わかりやすい気もします。

大根役者の特徴とは[舞台編]

 

しかし声優の場合は、必ずしも演技力がある人がキャスティングされて、演技力がない人がオーディションに落ちる、というわけではありません。

 

でもやっぱり演技力は作品を締める上でとても大切で、アフレコ現場に行くと必ず何人か大先輩がいることが多いのです。

メインキャストは新人声優で、その周りのキャストをベテラン声優で固める、みたいなキャスティングもよく見かけると思います。

やっぱりレッスンやら養成所で習うやら、という時間よりもアフレコ現場で大先輩と同じ空間でお仕事ができる時間が一番勉強になるというか、鳥肌が立つくらいすごいなぁと感じることがいっぱいあります。

アフレコ現場での話はこちらもどうぞ→アフレコ現場でヒヤッとする瞬間

 

実際に目の前で素晴らしい演技が繰り広げられてると、自分の仕事の時間でも、「盗めるもの全部盗んでいこう」という気持ちになるんですよね。

 

結局生で目の前で見るものが一番自分の糧になっていくと思います。

声優スクールに行ったからって上手くなるわけじゃない

 

そこで、今回は私が実際にアフレコ現場でぞわぞわするくらいに感じた大先輩声優さんのすごいお芝居について。

声優の演技力ってどいうものがすごいもの、なんだろうか?という話です。

 

呼吸しているような演技

 

私が現場で震える程感激した大先輩の演技はずばり「呼吸」、という感じの演技でした。

 

それは洋画の吹き替えの現場でした。

 

吹き替えの声優の仕事についてという記事で声優の吹き替えの仕事の話をしましたが、

アニメと違って吹き替えの現場ではすでに画(動画素材)が完成しています。

 

海外の役者さんが演技をしてる上に演技をかぶせていくような収録方法をとります。

 

そうすると、アニメと違って原音(作品にもともとついてる音)があり、俳優さんがそこで息をしています。

その音に演技を重ねていくわけですが、「演技力やばい!」と思った大先輩はマイクの前で呼吸をしているように感じました。

 

どうしても私たち声優はマイク前で体を動かさずに演技をします。

すると普通に生きている時と比べて、声を発する時の姿勢が変わってしまうので、体と心がちぐはぐになりがちなんですね。

 

でもすごいなぁと思った大先輩はマイク前に空間があってそこでそのまま息をして生きているような感じがしたんです。

 

マイク前で演技をする、ということはそこから動けないはずなんです。

でもそこで普通に生活しているのと変わらないようなセリフが発されていました。

 

本当に演技力がある人の演技ってこういうことを言うのかな、と思った一瞬でした。

 

演技だけで親近感を感じる

 

声優の仕事は連続して続く現場があるのは稀です。

基本的にアニメは3ヶ月で改編期がきますし、吹き替えの場合は1日でお仕事が完結してしまうこともあります。

 

だから正直、その短時間の中で人間関係を築いていくことって結構難しいんです。

声優の人間関係って難しい

 

舞台が好きな私は、舞台の芝居の組み立て方も結構好きで。

舞台は本番前の2、3ヶ月前から稽古が始まるのが普通です。

頻繁に出演者同士で顔を合わせて、あーでもないこーでもないと言いながら芝居を作り上げていきます。

 

特に演技で絡みの多い人とは仲良くなった方が絶対にいい芝居になると思っていて、芝居的に絡みが多い役の役者さんとはなるべく時間を多く過ごすようにしています。

まぁその時間に対して、本番は数日で終わってしまうのでなかなか舞台も難しいんですが。

舞台の出演料じゃ生計を立てられないのが悩ましい

 

 

演技力がすごいなと思った声優さんは、会ってからあまりお互いを知ることができる時間が少ないアフレコ現場で

芝居で絡んだだけでなんとなく親近感を感じることができる先輩でした。

 

役柄上は絡みが多くて、でもその声優さんとは会って間もない。

 

なのに、一度テスト(本番前に一回通しでアフレコを仮本番としてやること)をやっただけで、その人に親近感を感じることができたんです。

 

これが本物の演技力なんだな、と感じました。

うまい、というだけでなく、その演技にその人の人柄が滲み出ている、とでもいうんでしょうか。

 

人を笑わせる力

 

これはきっと個人の好みでもあると思うんですが、お芝居はエンターテイメントだと思っています。

 

エンターテイメントは一方通行では決して成立せず、表現者の表現を誰かが受け止めてくれて、それに対して何かしら思ってもらえる、リアクションがある、そういった時に初めて成り立つものだと思っています。

 

アフレコというのは難しくて、その現場には表現者とそのスタッフしかいません。

だから私もデビューした時に実感がしばらく湧きませんでした。

詳しい話はこちら→声優の仕事でやりがいを本気で感じる一瞬

 

でも、演技力のすごい声優の大先輩は収録現場ですでにエンターテイメントが始まっています。

本当にすごい先輩はそこで共演してる声優さん、一緒に仕事をしているスタッフさんを笑わせるところから入っていくんです。

 

そういう先輩声優さんの演技力というか、エンターテイナー力は本当に尊敬しています。

一緒にお芝居する上では笑っちゃわないように必死で大変ですけどね笑

 

でもそういう方がいてくださると現場が一気に和むし、それによってみんながもっと素敵な演技をできるようになるんです。

素敵なんです。

 

声優の演技力とは

 

声優において「演技力がある」というのはどういうことなのかな、ということについて話してみました。

 

かなり個人的な意見ですが

私が演技力が半端ない、と思った先輩声優さんのお話です。

 

うまいことが必ずしも正しい、というわけではなく、その人個人の魅力なんだろうなぁと常に思っています。

 

こちらもどうぞ→声優の演技を学ぶにはどうしたらいい?

 

読んでくれてありがとうございました。

では。

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